“Protestors(デモ隊を指す言葉)”と警察の連日の衝突で、市民生活に影響が出始めました。
Protestorsは
・ショッピングセンターに乱入し入り口を封鎖
・商店内に入り込み、結果的に商売を妨害
・MTR(地下鉄)改札は無視して乗り越え、車内を占拠
・MTR構内で破壊活動
・各所でスプレーによる落書き
・道路の柵を分解して即席バリケードを作り、勝手に道路を封鎖、後続の車は立ち往生
といった行為を公然と行っていました。
朝刊に全面広告掲載
8月11日付朝刊では各財界団体からの全面広告が掲載されました。
暴力行為には反対
対話で解決を
市民に平穏な生活を
一国二制度を壊すな
とあります。
平穏な日常を取り戻すようにという呼びかけは、もはや警察ではなくprotestorsに向けられはじめました。
また、8月11日午前中配信された地元メディアのニュースは、警官とprotestorsを CatとMouseにたとえ、衝突を“いたちごっこ”と表現していました。
この日も各地で衝突が発生し、デモの域を超え暴動状態になっていました。
protestorsを支持する住民と批判する住民との間でも衝突が起き始めました。
このまま彼らの激しい行動が続くと、市民の支持すら失う、その分かれ目に差し掛かっているのではないかと思われていたときでした。
警察がprotestorに扮し自作自演
この日の夜、衝突の最中に一人のprotestorを拘束したのは、protestorに変装した警官でした。
他の場所でも警察とprotestorに扮した警察が行動をともにしている様子や、白シャツ軍団がprotestorを襲う様子などがメディアのカメラに収まりました。
警察の発砲により女性が失明
そして深夜、尖沙咀警察付近で医療業務にあたっていた女性の頭部をめがけて警察が発砲し、女性の右目に当たり失明する事故が起きました。
また警察がprotestorに対し、至近距離から発砲する様子もカメラに収められました。
このような中で、中国本土・深圳では軍の演習が行われました。香港の混乱への対応であることは明確で、新聞も「新界地区までならすぐ到達できる」と警戒していました。
一夜明け、市民はまたデモ隊寄りに
前夜の失明事件や、警察の変装の事実が朝から大きく報じられました。
これを受け、一部の警察の行動に理解を示し始めた市民が、また一転して警察批判を始めます。
平日で市街地での抗議活動ができないprotestorは、国際空港に流れ込みました。
内容は失明事件への抗議、五大訴求、そして旅客に対し「香港に来ないで」と呼びかけていました。
一方では北京サイドから「憂慮する」内容のコメントが報じられています。
人民解放軍の介入が近いとの憶測も流れ始めました。
※文中のprotestorsはprotesterと表記される方が一般的ですが、地元メディアの表記に合わせてprotestorsとしています。
(記者:鈴木まりこ)