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【韓国】ソウル 慰安婦像前「抗議集会」の真実

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日韓貿易紛争がエスカレートする中、9月11日にソウルの慰安婦像前で抗議集会があると聞き、次世代独立国際研究所スタッフが現地で取材を行いました。 テレビで伝えられる抗議の模様が実際はどのようなものなのか、集会の様子を時系列でレポートします。

抗議集会の「違和感」

集会場に到着すると慰安婦像のある歩道にはすでにステージやテント、音響設備などが用意される一方、警察のバリケードが張られ、警備の警官がスタンバイしていました。

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抗議集会の警備の様子
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警察のバリケード


韓国人による韓国での抗議集会になぜ韓国警察がこれだけ厳重な警備をするのかに違和感を覚え、警官に聞いてみたところ、慰安婦像前の抗議集会に対する抗議もあり、トラブルが頻発しているため警備にあたっているとの返答でした。

さらに

・慰安婦問題や今の貿易問題は極めて政治的な問題。⽇韓それぞれの政治家が⾃分の利益のためにやっていること。その象徴がこの場所。
・私たちは平和を願っている。友⼈の奥さんも⽇本⼈だ
・今の⼤統領の政治がうまく⾏っていない。それをごまかそうとしている。


ということを話しました。


実際この抗議集会は日本のメディアで伝えられる抗議集会のイメージとは全く異なり終始なごやかなもので、「形式的行事」という印象でした。

参加していたのは、引率付きの若者グループを中心に、普段慰安婦問題に取り組んでいるのであろう団体のメンバーで総勢50〜60名ほどでした。

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慰安婦像前抗議集会の様子


驚いたのは歌や踊りが始まったことです。みんな笑顔で手拍子をしています。
「抗議集会」という言葉からは想像もつかないもので、一体誰に対して何を訴えたいのか、何のための集会なのかが伝わらず、「とりとめのない内輪の集会」のように感じました。

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慰安婦像前抗議集会で始まった踊り


そして、シュプレヒコール(掛け声)が始まろうとすると、それまで静かにしていた取材陣は、ここぞとばかりにカメラを向けてこのシーンを撮影します。

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よくメディアに取り上げられる抗議の掛け声
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よくメディアに取り上げられる抗議の掛け声


事前に配られた黄色い紙を読みながらのシュプレヒコール…
世界に伝わるのはこの場面だけでしょう。

いかにも韓国が慰安婦問題を重要な国際問題としてアピールしているように見えますが、実際若者は笑顔で和気あいあいとしています。

慰安婦像とともに笑顔でカメラに収まる参加者…渋谷のハチ公といえばイメージしやすいかもしれません。

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慰安婦像と記念撮影をする若者


下の写真の中央の女性は元慰安婦の方と思われます。
何も発言されず、気づかない間に帰っていかれました(ご高齢ゆえスピーチも難しいのかもしれません)。
こちらの方の存在で集会に重みを持たせられるのかもしれません。

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元慰安婦と思われる女性

 

歴史教育について

慰安婦問題を含むいわゆる「歴史問題」について、韓国人の意識について触れてみたいと思います。

集会のあと訪れた図書館で、慰安婦問題に関する本を探してみたところ、これだけの本がすぐに見つかりました。

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慰安婦問題に関する韓国の本


多くの日本人が見落としているのは、韓国では韓国の主張する歴史認識が、正しい間違いかかわらず学校で叩き込まれているという点です。
その上、慰安婦問題についても、(当否はさておき)資料を明示して、極めて理路整然と、極めて国民にわかりやすいロジックで構成されています。

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韓国の歴史に関する本


現地のある韓国人の方から、「日本人は歴史問題について何も知らない、話にならない」と聞きました。
若者同士が議論をしても、日本人だけ黙って会話に入らないと言います。

当然です。

韓国人は学校で「日本に蹂躙(じゅうりん)された」歴史教育を受けているのに対し、日本の若者はそもそも何も教わっていません。
知識がないのですから、議論になるはずがありません。

どちらが正しい正しくないを議論する以前に、歴史観や教育に抜本的な違いが存在します。


朝鮮総督を努めた宇垣一成氏の日記には、朝鮮人が職を求めて大勢日本にやってきたという記述があります。

事実を鑑みず、日本に来た朝鮮人の多くが強制的に連れて来られたかのような印象を植え付けられていないでしょうか?
自国の支持率回復のために、劇場型の日韓関係を強調し、まんまと政治利用されていることを、そろそろ日本国民も気づくべきではないでしょうか。


竹島や尖閣問題についてもそうですが、論破するなりの論拠をもっときっちり整理して国民に周知すべきだと思います。


「日本(政府)は嫌いだけど、日本人は好きですよ」
という言葉をソウルで幾度も耳にしました。


慰安婦や竹島、貿易問題など、政府間による政治的駆け引きに巻き込まれることなく、またお互いのメンツの張り合いなどそれはそれとして、日韓両国の国民がお互いの文化を尊重し合って交流を続けること ― 今回の取材を終えて、実はこのことが一番大切なのだと強く感じた次第です。

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